「疲労回復」についての解説

体の一部分が疲労しても、疲労感が全身に及ぶことがあります。

　例えば、スマホやPCの見過ぎで目が疲れたとしましょう。（目が疲労すると頭も疲労しますが）その時疲労感が全身に及ぶことがあります。体がだるいとか重いとか感じることがあります。でも、疲労しているのは目なのです（頭も疲労していますが）。

　手や腕が疲れた時も同様です。PC作業などで指を使っていると指から前腕の部分が疲労します。手や腕が疲れたなと感じます。でも、体全体もなんだか重く感じたりします。

　このように、人間は体の一部分が疲労しても体全体がだるくなったり、重くなったりします。特に、頭(脳)が疲労するとその疲労感は全身に及び、全身が疲れているように感じます。でも、疲れているのは頭(脳)であって、体は疲れていないのです。頭(脳)が疲れて、体が疲れていないと中々寝付けません。

　当院に不眠などを訴えてみえる人の中には、カウンセリングを行うとストレスなどで極度に頭(脳)が疲労している方がいます。デスクワークなどで一日中体を動かさないで、頭と腕が疲労して、体が疲れていない場合がよくあります。

上述したように、疲労と疲労感は同じではないということを認識することは自分の状態を把握するのに大切なことです。

いつも疲れている、といった症状の方がみえます。朝起きたときから疲労を感じていて、一日中身体がだるくて辛いとおっしゃいます。

病院で検査しても異常なしということです。積極的に改善していこうと考えてみえる方は、サプリメントを飲んだり、ウォーキングなどの運動を行ってみえます。それで、疲労が取れればいいのですが変わらない方もみえます。

このような人の身体をみますと、多くの方が内臓が疲れています。背骨の肩甲骨の下辺りが膨らんで硬くなっている人がいます。

また、ツボで言うと、肩外兪、天宗、腎兪、志室などが硬くなっていて、押すと痛みを感じることがあります。

これは、腎臓が疲労していることから起こってきます。腎臓はご存知の通り身体の中の老廃物をろ過して血液をきれいにしています。
ここの働きが低下すると血液の中の老廃物がしっかり取れないままですので、身体にだるさを感じます。

春から夏にかけて、冷たいものを多く取ったり、冷房の効いた部屋にいたりすると腎臓に負担がかかって疲れやすくなります。
（腎臓は冷えに弱い臓器です）

世の中には「うつ病」になったり、また「自殺」をする人がいます。そのような人は必ずと言ってよいほど、頭（脳）が疲労しています。

頭（脳）が疲労するとどのような症状になるかと申しますと、次のようになります。

「ささいな事を、つい考えてします」＝「考えても仕方がないのは解っていても、考えてします」
「他人の言うことをもっともなことだと解っていても、実行できない」
「変えようと思っても、変えることができなくて、ずるずると間違った方へ引きずられていく」

つまり、学校へ行けば「いじめ」られるのは解っているのだけれど、行ってしまう。そして、同じように「いじめ」られて、さらに頭（脳）が疲労していく。

辛くて職場に行きたくないのだけれど、他にどうしたら良いのか解らず、職場に行ってしまう。そして、過剰な労働でさらに、頭（脳）が疲労してしまう。

借金などでのストレスで頭（脳）が疲労すると、たとえ借金が返済できなくても、様々な道があって生きてい行けるのに、そのことが解らなくて、どんどん頭（脳）が疲労していく。

そして、頭（脳）が疲労しきってしまうと、何も考えられなくなって、死を選んでしまう。というか、死しか行く道がないと思い込んでしまう。

深刻な「いじめ」にあっている子は、頭（脳）が疲れ切っているので、「死にたいくらい辛いなら、なぜ学校にいくのだ」とか「誰かに相談して」とか「学校へ行かなくてもいいんだよ」とか言われても、解らなくなっているのです。単純なことが、解らなくて、同じことを繰り返してしまうのです。

「過労死」直前の人は、辛いのだけど、職場に行くのです。「そんなに辛いのなら、仕事を辞めればいいじゃないか」と言われても、辞められないのです。

１０００万円の借金があっても、平気な顔をして生活している人もいれば、５００万円の借金を苦にして自殺する人もいるのです。その人は頭（脳）が疲れ切っているのです。

頭（脳）が疲れ切ってしまうと、正常な判断が出来なくなりますので、周りの人が適切な対応をしないと、さらに頭（脳）を疲れさせる方向に行ってしまいます。そして、最悪のケースになる場合があるのです。

また、頭（脳）の疲れている人は、自分がどれだけ疲れているのか判断できません。判断できれば、自分でその疲労を回復しようとするのですが、判らないので、どんどん疲れが溜まっていきます。

頭（脳）疲労の判断の一つとして、首こり・肩こりがあります。頭（脳）が疲労している人は必ずと言っていいほど、首こり・肩こりがあります。
自分の肩がこっているのか、他人に触ってもらうと判ります。肩こりを少し解消するだけでも、頭（脳）の疲労回復にもなりますので、肩こりを気にしてください。